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完全を求める不完全な日々・・・

DM2型発症は29才

わたしは流産と実父からのひどい行動と言葉が引き金となり 29歳で糖尿病(DM)の2型を発病しました

当時医師に「こんな若さで糖尿になってしまってアナタ本当に苦労するよ」と言われその言葉通り次男の出産も障害児・奇形児覚悟で挑みました

わたし自身の生い立ちから糖尿病(DM)であることを受け入れられず20年以上も治療を拒否してきました 

DMの方も家族の方も全く縁のない方もつたない文章ですが是非読んでいただきたいです
そしてDMに対して心ある理解をしていただければ・・・と思います



DM2型発症は29才


1話

一人目の子どもを28才になったばかりの1月に出産

翌年の5月に次の妊娠

すごい!思いっきり年子 

でも先にしんどいことを済ませていれば後々楽かもなんて思った



それでもあっけないほどあえなく流産

上の子の時も何度も流産しかけてほとんど入院生活ばかりで

やっと産めたような状態だったので仕方がないと言えばそうなんだけれど

ショックだったし

わたしがもっと気を付けていれば流産なんてしなかったのかもと自分を責め

居なくなってしまったお腹の中の赤ちゃんに

ちゃんと産んであげられなくてごめんと何度も謝り続けていた

陰膳・・・ご飯を作るたびにその子のご飯も作って供えた


そんな心の体もボロボロの時

実父から電話がかかってきた

金を貸してくれ 1万円

ギャンブル好きな人だった

パチンコに競馬

今まで何度それでひどい目にあって泣いてきたかわからない


独身時代に椎間板ヘルニアで3か月の長期入院していたときがある

そんな時でも病院にお金をせびりに来るそんな人だった

でも、もし断ったら・・・断ることなんてできない


流産での入院費の支払いで手持ちのお金はほとんどなかった

家中のお金を集めた

小銭を足して何とか1万円にした


スッキリ1万円札 銀行に行けばできたけれども

それをしなったのは できる限り最高のわたしの抵抗


1歳の長男を自転車の前のチャイルドシートに乗せて

重い足取りで待ち合わせの駅に向かった・・・




2話


改札口から1番近いベンチで父は待っていた

わたしは無言でお金の入った封筒を父に渡した

バツが悪そうに照れ笑いのような笑みを浮かべた父は

すぐさま駅の改札口を通り抜け見えないところに消えて行った


流産したばかりのわたしの体を気遣うでもなく

孫に声をかけるどころか一瞥さえもしなかった


帰りに長男のお気に入りの公園に寄った

誰もいないお昼の公園

無邪気に遊ぶ長男をベンチに座って眺める


生まれてきたらこんなにかわいいこと判ってるから

二人目の流産は一人目の流産より辛いのよ


誰かがそんなことを言っていたのを思い出す

誰だっけ?

育児サークルで知り合った ママ友だったっけ

それとも公園で話した ママ友だったっけ


・・・お父ちゃん

お父ちゃんは相変わらず変わらないな

死ぬまでずっとこんなこと繰り返えされるんだろうな

そんなことをぼんやり考え続けた


家に帰り玄関を開けると電話の音がけたたましく鳴り続けていた

慌てて受話器に飛びつく

お前オレをなめとんのか!!

怒りに狂った父からの電話だった   



3話


封筒の中身に小銭が混じっていたことが相当気に入らないようだ

わたしは何とか家中の小銭をかき集めやっと一万円にしたんだ

ということを判らせたかったのだけれど

父から見ればこれ見よがしな嫌がらせとしてしか思えなかったのだろう

相変わらず自分目線でしかモノを考えられない人だ


父の怒りはMAXでひどい罵声を浴びせられ続けた

わたしはただ茫然とその言葉を聞き続けた

何故言い返せないのかと思う人もいるだろうけれど

何かにつけて父は暴れて暴力をふるう人だった

逆らうと痛い目に合う 怖い目に合う

逆らわないことが身を守る行動だと身体に染みついたから


そして最後にこんな捨て台詞で電話は切られた

「覚えとけ お前の家族をメチャクチャにしてやるからな!」

メチャクチャ。・・・??

どんなことされるんだろう

例えばみんなが寝静まった頃に家に放火されるとか?

子どもを連れ去って殺しちゃうとか?

マイナスなイメージがどんどん湧き出してきた

心底 怖くなって小さなわが子の身体をギュっと抱きしめた



4話


旦那が仕事から帰ってきても

不安な気持ちを話すことはできなかった

自分の父親がそんな人間だとは知られたくなかった


わたしが中学 妹が小学生の時

古くて汚いアパート暮らし母は嫌だったんだろうな

全く働かない父をしり目に

母は無理して働いて働いて100万円をためた

新しく住む家も目星がついてあとは手付を払って契約という

そう、夏休みの暑い暑い一日だった

妹とわたしは些細なことから姉妹喧嘩を始めた

そうして、ここぞとばかりに父が怒りだした

わたしたちをボコボコに殴り

家の中のあらゆるものを壊してからこう言った

「喧嘩するお前らが悪いんや だから俺はこの金を持って家出してやる!」

そんな捨て台詞を残して父は出て行った


笑える・・・笑えるよね

今となっては笑える


それでも幼かった妹はずっとずっと泣いていて

わたしはそんな妹に「泣くな!」と叫んだ

だって泣いたらわたしたちが悪いってことになる

わたしたちは何も悪いことなんてしてないんだ

姉妹喧嘩なんて父にとっては都合のいいきっかけ

100万円という大金を前にして

それを自由にできるきっかけを探していたんだ


お金が無くなってしまったのもテレビを壊されてしまったのも

わたしたちのせいじゃない だからもう泣かないで・・・

そう話すわたしの目からも涙がポロポロ

母が仕事から帰ってくるまで二人で泣き続けた


そして、帰ってきた母が事情を察するにはそれほど多くの言葉は必要なかった


父が帰ってきても絶対家には入れないし

離婚すると・・・その時母は間違いなくそう言った


もう父に振り回されることも

ひどいことをされることも無いんだ

心の中に明るい灯が ぽっ とともった



5話


三ヶ月後ボロ布のようになった父が帰ってきた

母は絶対拒絶すると思っていたのに そう言っていたのに

いとも簡単に父を受け入れた

何事もなかったかのように同じ生活がまた始まった


父が家出から帰ってきてから

わたしは母の行動を注視するようになった


母が休みの日になると夫婦連れだって

駅前のパチンコ屋に行き午後は

魚屋で丸々一匹のハマチを刺身にしてもらう

ハマチの刺身は父の大好物だ

一度その値段を聞いてとてもビックリしたことがある

あの当時の我が家にとってはとても高価な食べ物だ

ハマチの刺身は父しか食べない

わたしたちは極々質素な食事


お酒が足りなくなればすぐ買い足し


お金をせびられれば渡し


母にもう渡すお金がないと言われれば

父は家にある金目のものを質屋に持って行っては遊ぶ金に使った

そうして母は給料日になると質屋に行ってそれを持って帰ってくる

そんな馬鹿な繰り返し


一番嫌だったのは父に注がれる母の視線

テレビで父が喜びそうな場面になるとじっと父を見つめるのだ

なんだか女としての母を見ているようで嫌悪を覚えた


わたしや妹のように怖いから痛い思いをしたくないから

逃れられないのとは明らかに違う

結局 母はわたしや妹ではなく父が一番なんだ


母は母だけど もう母じゃない

そうしてわたしは母も嫌いになった

わたしの居場所なんてどこにもなかった 




6話


父からの「お前の家庭をメチャクチャにしてやる!」の電話から

身体の調子がすぐれない

眠れない夜も増え 気分も落ち込むことが多くなった


そんなわたしを唯一ほっとさせてくれた行為は食べることだった

食べてお腹がいっぱいになっている時だけは

ほわぁ~んとなって不安や悲しみが紛れるような気がした


それに糖尿の初期は食べたくて食べたくて仕方なくなるそうだから

それもあったのかも知れない

またいっぱい食べてしまった食事の度に後悔するの繰り返し


母方の親戚は五人寄れば三人は糖尿病患者という家系

いつかは自分もという不安はあったけど

母の発病も五十五歳を過ぎてからだったし

家事に育児にとにか目が回るように

くるくると動き回っているまだ29才の自分が

こんな早く発病してしまうとは思いもよらなかった


それほどの自覚症状はなかったけれど薬局で検査試薬を買ってきた

何秒か尿に浸して何もなければ薄い黄色悪ければ悪いほど

緑が濃くなる確かそんな感じの検査

そしてそれは 深緑 最悪の結果を示していた   



7話


わたしが高校に入った年

母は糖尿病になって寝込んで働けなくなってしまった

その時の父の態度はひどいものだった

見かねた母の親戚が家にやってきて

「保険証もお金も無いから病院にはいけないんや」と言う母を

引きずるように病院に連れて行った


父は心を入れ替えて職探しでもするのかと思いきや

ありとあらゆるコネとツテを使って 生活保護の手続きをしてきた

そして「俺に手をついて感謝しろ」と言い放った

もちろんそんなことしなかった・・・絶対譲れない最後のわたしの心の砦


母が退院してきてからはもっとひどい生活になった

わたしは奨学金を受け 余裕があるときはアルバイトに行った


そしてそれからは暗い実家の片隅で

毎日、毎回父の目を気にしながら小さく背中を丸めインスリンを打つ母がいた


そんな母と同じ病気になっちゃったんだ・・・わたし


8話

本などでDMの発病要因を調べてみると

遺伝・過食・運動不足・ストレス・妊娠・流産 などと書かれていた

五つも当てはまってる・・・発病は至極当然だった


旦那と結婚してやっと陽の当たる場所で生きてゆけると思っていたのに

わたしがインスリンを打たなくてはいけない身体になったら旦那はどう思うだろう

父が母にしたように冷たく当たるのだろうか

やっと見つけた大切なわたしの居場所、無くなっちゃうかも

またあのころの暗闇がわたしを包み込んでゆく・・・

どうしよう・どうしよう

旦那にも誰にも相談できないひとりあれこれ思いあぐねた

食べる量も減らしてもっといっぱい動けば何とかなるかも

妊娠や流産がきっかけでなったのならそれが過ぎれば自然に治るかも


どれだけ考えても、現実を信じたくなかった受け入れられなかった


そうだ結果なんて見なかったことにすればいいんだ

検査なんてしなかった 昨日と同じ何も変わってない

そう、現実から逃げることをわたしは選んだ


9話

人間とは都合のいいモノで(わたしだけかもしれないけど)

ましてや初期はさしたる症状もないので

その事実に布をかけて隠すことでずいぶん気が楽になった

ただ、強い風が吹いた時はその布がふわっと浮きあがって

現実から逃げている自分を責めた


その後一か月たっても二か月たっても父から何かされることは無かった

今考えれば本当にわたしたち家族に危害を加えてしまったら

じゃらじゃら小銭の1万円でももらえる金ずるが減ってしまうのだから

それぐらいの損得勘定はできたのだろう

バカな人に振り回されたわたしはそれ以上の大バカだったということ


流産以来ずっと毎日お腹の中からいなくなってしまった

赤ちゃんの陰膳を作りながらわたしはある思いに到達した

そうだ、もう一度あの赤ちゃんをお腹の中に呼び戻そう

もう一度妊娠してやり直すんだ

そうすれば可哀そうな赤ちゃんはいなくなる

わたし自身も自責の念に苦しめられることもなくなる

馬鹿げてるかもしれないけれど本気でそう思った 



10話
   

次の日から影膳を作るのはやめ

旦那に次の子が早く欲しいと相談し

二人でいろいろ調べて話し合って

流産は癖になるから次の妊娠まで時間を置いた方がいいという情報もふまえて

半年したら・・・という結論を出した


それからのわたしは食事もなるべく控え

長男と複数の育児サークルや公園に通い毎日休むことなく動き続けた

DM自体、よくなっているのか悪くなっているのかもわからないけれど

病院に行って検査を受ける勇気はなかった

それに、DM患者が妊娠をするということの大変さやリスクの高さなど

そのころのわたしは全く知らなかった


そうこうしているあいだに解禁の半年を迎えたが

二か月たっても三か月たっても妊娠の兆候は表れなかった

更に半年がたち一年が過ぎ

流産のせいでもう妊娠できないのかもしれない・・・

あの時の赤ちゃんをもう一度なんてそんな奇跡起こるはずないんだ

時間の経過とともにそんなふうに考えるようになっていった




11話

それまで居なくなってしまった赤ちゃんをもう一度呼び戻すんだ

という目標に向かって走っていた気持ちの糸がゆるみ

いつしか食事を控えるのも毎日動き回るのもおざなりになりになっていった


そうして流産から三年後のある日

もしや・・・と思い病院に行くと妊娠

それもなんと以前流産した月と同じ五月が出産予定日とのこと

やった!!あの時の赤ちゃんが帰ってきてくれたんだ

でも喜びもつかの間
 

血液検査の結果A1cが8,3

身体の基礎が作られるこの時期に高血糖だと

奇形や障害をもった子どもが生まれてくる可能性が非常に高いと言われた

赤ちゃんにそんなに影響があるなんて知らなかった思いもつかなかった

もう妊娠できないんだって思い込み気を緩めてしまった自分を責めた


医師からこのまま妊娠を続けるか

中絶するかなるべく早く決めるように言われた


今までの人生の中でこれほど悩んだことはあっただろうか

やっと戻ってきてくれた赤ちゃん殺すことなんてできない

でも、奇形や障害を持って生まれてきても幸せなの??

いや、悪い結果になるのは100%じゃない

健康な子どもが産まれてくる可能性だってあるのに中絶してしまっていいの?

悩んで、悩んで、悩みぬいたけど結論は出なかった

ただ時間だけが過ぎ

中絶できるタイムリミットが過ぎてしまったそれが本当のところ
















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